聞きたいよ・・・ | ~あした~

聞きたいよ・・・

最近ね・・・
母の私を呼ぶ声を忘れそうになるよ。
母の私を名を呼ぶ「さっちゃん…」って。
怒って私を呼ぶさっちゃん。困った時私を呼ぶさっちゃん。
機嫌がいい時私を呼ぶさっちゃん。
さっちゃん…。もう何年も聞いてないから、消えそうだよ。
私の中に存在する母の声・・・
思い出そうとすると、なぜかいつも私の名前を呼ぶ声…。

母は賑やかな場所が好きだった。
きっと、ずっと孤独に生きて来たからかも知れないね。
だから人を疑う事知らないし、困ってる人が居たら、我が身のように
身体擦り減らしてでも助けようとしてたね。
母の背中が時には可哀相でもあり、
また、反対にたくましくもあった。
どんどん身体が小さくなっていき、
どんどん自分を忘れていく母。
いつもどんな時でも、なによりだれより私の味方でいてくれた母。

今になってその存在の大きさがわかったよ。

私は母にとってどんな娘だったのかな。
もう聞けないね……
目の前に母がいるのに…
私の顔見て、笑ってくれるのに。
私の顔見て涙流してくれるのに…
なんにも言ってくれないね。

名前呼んでよ……
一度でいいから…
もう一度。